N君が立ち寄ってくれた。
いつも一緒のN君はいない。
それで来ていないN君の話となった。
先回、展示場に来た時に見た「ある植物」がえらく気に入ってしまったという。
2人して園芸店に行ってもなかった。
名前もはっきりと思い出せなかったらしいので、無理もない。
「あの〜、その〜、この〜」では
店員さんも困ったことだろう。
学名は「プラチケリウム」。和名を「ひかくしだ」。流通名は「コウモリラン」だ。
葉は2種あり、トナカイの角のような形の「実葉」と、その根元に薄く広がり、木や壁に密着する「裸葉」とがある。
「裸葉」は、初めは薄緑色をしているが、広がるとやがて茶色に枯れ、上へ上へと層を重ねてゆく。
「裸葉」の重なり部分に水分を保つので、シダとしては乾燥に強い。
手元の「コウモリラン」は10数年前にYさんからいただいたもの。
「実葉」が芽を出したら、まわりをごそっとえぐり取り、ヘゴ仕立てにでもしてN君に差し上げるのだが、いつになるかは分からない。
「コウモリラン」は直射日光を当てると葉焼けするが、窓越しの明るい部屋に置いておくと暑さ寒さには強く育てやすい植物だ。
シダだから高温多湿を好むので、夏は3日に一度は全体にじゃぶじゃぶ水をかけてやり、「実葉」の上のホコリも洗い流してやる。
月に一度は薄めた液肥も追加する。
冬はほとんどやらない。「実葉」がしおれた時にやるぐらい。
手間のかからない植物なのだ。
展示場の「コウモリラン」は鉢の方が高くついている。
しかし、愛着はお金にかえられません。
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